愛犬がなかなかドッグフードを食べてくれなくて途方に暮れる…困りますよね。
ラファも食いしん坊のくせに好き嫌いが激しいので、ドッグフード選びには慎重になります。悩みに悩んで買ったのに食べてくれないときは「おい…マジか」ってなりますよね。
犬は食欲旺盛でよく食べるものと思われがちですが、ドッグフードを食べないのはよくあることです。
問題になるのは、やせたり体調を崩すほどにフードを食べることを拒否する場合です。この場合はドッグフード自体の問題のほかに、フードの与え方や生活習慣まで原因が多岐にわたります。
そこで今回は以下の3つの観点からドッグフードを食べない理由と、検証の仕方や対策のポイントを解説します。
- フード:7ポイント
- 食器:5ポイント
- 生活習慣:5ポイント
全部検証するにはポイント数が多いので、疑わしいものから試してください。
1.【フード編】愛犬がドッグフードを食べない7つの理由と対策
ここでは以下の7点に注目して、ドッグフードに原因がある場合の原因と解決策を解説します。
- 味や匂い
- 粒の大きさと硬さ
- フードの劣化
- 消化不良や胃もたれ
- 高いフードがNG
- アレルギーがある
- 療養食が嫌い
複数の要因が重なっていることもあるので、対策は慎重に行います。
1-1.匂いや味が好みでない
ドッグフードの匂いや味はすべての製品で異なります。犬によって好きな匂いや味は変わるため、当然好みでない製品もあります。
中にはドライフード特有の匂いが嫌いで、ウェットフードでないとNGという犬も。
フードの匂いは主に以下の要因で大きく変わります。
- タンパク源の種類(肉や魚の種類)
- 脂質の種類(とくに動物性油脂)
- 製法(加熱と乾燥の方法)
タンパク源はフードのメインとなるものなのでとくに匂いや味に影響します。犬によってはラムやサーモンなど特定のタンパク源を嫌うことがあります。
油脂も匂いや嗜好性を左右します。酸化のしやすさも油脂によって変わるので注意が必要です。
食べなかったフードのタンパク源と添加されている油脂の種類に着目します。フードを変えるときは、なるべく同じタンパク源や添加油脂をさけましょう。
難しいときは以下のように変えてみるのもおすすめです。
- 匂いの強いフード→匂いの弱いフード
- チキン→ラムやポーク
- 肉系タンパク→魚系タンパク
ほとんどのフードは試供品やお試し用の少量パックがあるので、事前に飼い主が匂いをチェックします。ドッグフードを口に入れるのに抵抗がない人は味や硬さもチェックするといいですよ。(味見したら吐き出して口をゆすいでください、味見は自己責任でお願いします)
開封直後と数日たったフードでは風味も変わります。どちらも確認すると失敗が少ないですよ。
1-2.粒が大きい・固い
小型犬に多いのが粒の形状がNGのパターンです。食べにくく飲み込みづらいため、食事を拒否します。小型犬では全犬種用のフードは避け、超小型犬〜小型犬用の小粒フードを選びます。
逆に大型犬に小粒フードを与えたときも食べにくくて嫌がることがあります。この場合は大粒タイプのフードを試してください。
- 全犬種用のフードは避ける
- 粒の大きさや硬さを試供品で確認
- 毎回ふやかして与える
買ってしまったフードで粒の大きさや硬さが合わないだけなら、ふやかして柔らかくする(必要なら少し崩す)と食べられるようになります。食べないからと捨てる前に試してみてください。
1-3.ドッグフードが劣化している
最近流行の無添加フードは、保存方法が悪いとすぐに酸化して食味が悪くなります。最初は食べるのに数日すると食べなくなる場合は、フードの劣化が原因かもしれません。
- 真空保存容器に入れる
- 小袋になっているフードにする
- 酸化防止成分が添加されているフードにする
家庭で常温保存する場合、数日〜1週間ほどでフードの匂いは変わってきます。私も今までいろいろなフードを使いましたが、開封後の匂いが最後まで持続するフードに出会ったことはありません。
どんなフードも最初しか食べない場合は、小分けタイプのフードにすることをおすすめします。また少しでも劣化を防ぐように冷蔵保存したり、真空保存容器を活用したりして新鮮さを保つようにしましょう。
ドッグフードに対応している真空容器は通販で購入できます。
こちらの容器は大容量で、3kgくらいまでのドッグフードであれば、開封したあと袋ごと真空保存できます。
1-4.難消化成分や脂質が多く胃もたれしている
フードが原因で食べない場合、難消化性成分や油脂が多すぎることも。油脂量や不消化性成分の量はドッグフードの「脂質」「繊維質(粗繊維)」「灰分(粗灰分)」の比率(%)でわかります。
また最近主流のグレインフリーで高タンパク質のフードが体に合わない犬もいます。犬は人間よりもタンパク質の消化は得意ですが、体質によっては消化器に負担になり食欲不振の原因になります。
- シニア用フードにしてみる
- 高タンパク質フードをやめる
- 難消化性成分の少ないフードにする
負担になる成分の少ない消化しやすいフードで低脂質なものにすると胃もたれしにくいです。タンパク質量が多すぎるフードを避けることも、消化に優しい食事になります。
1-5.高いドッグフードより安いやつが好き
最近ではヒューマングレードなど高品質な高級フードがたくさん出回っています。飼い主も愛犬の健康を考えて、高くても体にいいフードを食べさせてあげようと購入します。
しかし高いフードより、ちょっとジャンクな成分も入った安いフードのほうが口に合うタイプの犬がいます。この場合はフードのグレードをちょっと落とすと、食いつきが格段に良くなります。
- フードのグレードを下げる
- 嗜好性をだすための成分は許容する
添加物ゼロのフードではなく、嗜好性を高める添加物などは食欲のためと割り切って、ある程度添加されているフードを選択します。好むといってもあまり安すぎる栄養価の低いフードを与えるのは問題なので、そこそこのフードにしましょう。
1-6. アレルギーがある場合も
ドッグフードの特定の成分にアレルギーを起こしている可能性もあります。アレルギーの原因物質は主原料だけでなく添加物の場合もあるため、加工食品であるドッグフードで特定することは困難です。
そのため無理に原因成分を見つけ出すことはせずに、体に合うフード2〜3種類を探してローテーションしていくのが現実的な対策となります。
- なるべく単一タンパク源にする
- 原料の種類が少ないフードにする
- 低アレルギーフードにする
アレルギーが疑われる場合は食欲のあるなしだけでなく、食べたあとの口の周りや肉球に赤みやむくみが出ないか、食後にダルそうにしたり痒がる様子がないかなどもあわせて観察しましょう。
1-7.療養食がきらいな場合は無理をせず獣医と相談して普通のフードにしてもいい
療養食を食べないという場合は、ほかにフードの選択肢がないため困りますよね。トッピングもできないですし。
何が何でも療養食でないとダメということは意外と少ないです。「療養食のほうが望ましい」くらいのレベルなら、食欲を犠牲にしてまで食べさせるかは飼い主の判断によります。
普通のフードは食べるけど療養食は断固拒否するような場合、無理に療養食にしないという選択肢もあります。必ず獣医師と相談のうえ、症状や治療方針にあわせて食事をどうするか決めてください。
2. 【食器編】愛犬がドッグフードを食べない意外な理由5つ
手で食べさせると抵抗なく食べてくれるのに、器に入れると食べなくなる事はありませんか?この場合は食器や給餌台の高さなどが食べない原因になっていることがあります。
- フードボウルの材質や大きさ
- 給餌台の高さ
この2点を中心に説明します。
2-1.金属ボウルが嫌い【鉄臭い味や匂いがNG】
金属製のフードボウルは頑丈かつ清潔でいいのですが、金属臭や金属特有の鉄臭い味がすることがあります。金属臭は犬が嫌うことが多いため、金属ボウルでの食事を嫌がる犬もいます。
金属ボウルではなく陶器製のフードボウルに変えてみて食べるかどうか試してみましょう。容器を変えても食べない場合はほかに原因があります。
- 陶器製の食器を使う
陶器製のフードボウルは割れやすいのが難点です。犬が食べているときにひっくり返さないように、給餌台の角度や高さを調整してください。
2-2.器とフードや歯が当たる音が嫌い・フードが滑る【キンキン・カチャカチャ音】
金属製や陶器製のフードボウルを使っている場合は、歯と器が接触するときのカチャカチャ音を嫌って食べないことがあります。またツルツルの容器ではドライフードが滑ってうまく食べられないため嫌がることも。
一度フードを紙皿に盛って与えてみてください。食べるようなら容器が気に入らない可能性が高いです。
- 樹脂製の食器を使う
- 底が波型になっている器などにする
樹脂製のフードボウルは傷や匂いが付きやすいため、こまめに変えたり熱湯消毒をします。
2-3.器が深すぎて食べにくい【視界が塞がる・のどにふちが当たる】
超小型犬やマズルが短い鼻ぺちゃ系の犬は普通サイズのフードボウルだと、ふちがのどに当たってつっかえるためフードを食べないことがあります。
またオーバーサイズの器だと、食事のために食器に顔を入れたら食器の壁しか見えなくなります。視界が塞がる不快感や不安感で食べなくなることも食事を嫌がる原因です。
一度フードボウルに顔を入れても戸惑って顔を上げてしまう場合は、器が体格にあっていない可能性が高いです。この場合は平皿など視界を塞がない容器でフードを与えてみると食べるようになります。
- 浅型のフードボウルにする
- 台に傾斜をつける
フードボウルのふちにのどが当たっている場合は、傾斜付きの給餌台にすることでも解決できます。
小型犬やマズルが短い犬には、猫用の浅めの食器が使いやすいです。浅型の器に変更したいときは猫用で検索してみてください。
フラットタイプの猫用食器は、猫のひげが食器に当たらないように形状が工夫されています。鼻ぺちゃ犬にも使いやすいのがこのタイプ。このほかにもいろいろな形や素材があるので探してみるのも楽しいですよ。
2-4.早食い防止用の器は嫌がることも多い【食べにくいからイヤ】
早食い防止用の底に凹凸がある器でフードを与えると、食べにくさがストレスで食事を嫌がることがあります。早食い防止の器を使うと食べない場合は、普通の器でフードを与えてください。
- 普通の器にする
早食い防止の器を使わずに、食事中は飼い主がそばについて少しずつ小分けにフードを与えると、ゆっくり食べるのと同じになります。
2-5.食事のために頭を下げるのを嫌がる【飲み込みにくい】
フードボウルを床に直置きしている場合や、給餌台の高さがあっていないのも食事を拒否する原因です。頭を下げると食事がしにくいためです。
また唾液の分泌が弱かったり、のどの筋力が弱かったりすると、フードを飲み込むのが苦手になります。この場合も頭を低い位置に下げてしまうとフードが飲み込みにくいため、食事を嫌がりやすいです。
- 頭を下げなくてもいい位置に台を調整する
愛犬の食事中の様子を見て、のどより胃が高くなっていないか確認しましょう。背筋がぴんと自然に伸びた状態であれば、食べたものが自然と胃へ流れていきやすいです。
犬がフードボウルの底に口をつけたときに、首と背筋がまっすぐに伸び、のどから胃までが緩やかに下っている状態が理想です。食べやすい位置に器がくるように高さを調整してあげてください。
こちらはフードボウルと水飲みボウルが個別に高さを調整できるうえ、傾斜もつけられるのでおすすめです。
3.【生活習慣編】愛犬の特性をよく見て運動量や食事ケアを!生活のポイント5つ
フードを与える量や与え方は、愛犬の個性や生活習慣によって大きく変わります。
- 体質や生活習慣に見合った食事量か
- 運動不足やストレスなど食が細る原因がないか
- 隠れた体調不良がないか
必ず確認しましょう。
3-1.活動量や運動量が足りない
体を動かさないとお腹がすきません。家の中で一日中ごろごろしていて、ろくに動かないのに食事を出されても「お腹空いていないから今はいらない」となるのは犬も同じです。
- 毎日必ず朝と晩に散歩に連れて行く
- 散歩や遊びのあとに食事をだす
運動や外出などの刺激が少ない生活では犬も鬱になりやすく、精神的な活力の低下は食欲の低下にもつながるため、運動はしっかりさせましょう。
また散歩や運動後は、おやつではなく食事を与えるようにします。おやつは基本的に食事をきちんと食べてもまだ足りないときに食べさせるものです。
3-2.食が細いのにおやつをあげている
同じ体格の人でも大食いの人もいれば、本当にそれで足りるのか心配になるほど食が細い人もいます。犬も同じで、食の細い犬は平均給与量よりはるかに少ない量で食事が足りて満足します。
食の細い犬におやつを与えてしまうとフードはろくに食べません。愛犬の食が細い場合は、残念ですが【おやつはなし】にしましょう。
- おやつを与えない
- フードの量は少なめで調整
食事が少ないぶん少し価格の高いウェットフードをあげたり、見た目が豪華なフードにすると「食事が貧相で、おやつもなしでは可愛そう」という飼い主側の心の痛みを和らげられます。
3-3.そもそも給与量が多すぎ
基本的にフードの給与量は、袋などに記載されている給与目安量をきちんと計って与えます。ざっくり適当に与えてはいけません。
注意したいのは、袋の記載はあくまで「目安量」であること。もっとたくさん食べないと足りない犬もいれば、目安量では多すぎる犬もいます。
- 適量を与える
食べないと心配しているけれど、実際には多すぎて食べきれない分を犬が残しているだけということがあります。給与量にこだわりすぎずに、愛犬の適量を見極めてください。
3-4.美味しい餌が出てくるのを待っている
「一度フードを食べるのを拒否したら、飼い主がトッピングしてくれた」「ドライフードを嫌がると、おいしいウェットフードが食べられる」と学習してしまった可能性があります。
飼い主側が「今日だけ特別」と与えたとしても、犬には理解できません。また自分の好きな美味しい餌が出るまで、同じように食事を拒否し続けます。
- 愛犬が好むフードに変える
- トッピングをずっと続ける
- 食べない場合は食事を抜く
美味しい餌が出てくるまでストライキすることを覚えてしまうと、なかなかクセを直せません。諦めて愛犬が好むフードをずっと与えるか、わがままを許さず食事抜きにするかのどちらかになります。
3-5.ストレスによる拒食がないかもチェック
長時間のお留守番やコミュニケーション不足、甘やかしすぎや構いすぎなど、日々のストレスが原因で拒食症になっていないか確認しましょう。
- 犬のストレス源を除去
- 家庭を和やかにする
家族の不仲などで家庭が落ち着かず、安心して食事ができないことが原因でフードを食べないこともあります。安心して食事ができる環境を整えてあげれば食欲が復活します。
3-6.食に対するこだわりや好き嫌いが激しい
いわゆる偏食です。人間でも特定のものしか食べない、嫌いなものが多くて会食ができない人がいますよね。
偏食は犬にもあります。偏食の犬はどんなにお腹がすいていても嫌いなものは絶対に食べません。
- 好きな食事に少しずつ苦手なものを混ぜる
- 食べたら大げさに褒める
偏食のなおし方は、まず好むものを与え、その中に嫌いなものを少し混ぜて慣れさせます。また食事をしたら大げさに褒めて「食事をすると飼い主がよろこんでくれる」と学習することで、いろいろなものを食べようとする意志が増します。
犬の偏食の克服は難易度が高いので、なおすには根気が必要です。あまり思いつめず愛犬が好むものを探しながら、少しずつ食べられるものを増やしましょう。
3-7.隠れた病気や体調不良がないか検診をする
歯や歯茎に炎症があったり不正咬合があるなど、口内に異常があると食事をしたくても食べられないことがあります。体質的に消化器官や内蔵が弱いと食事量は大幅に落ちるものです。
- 口内や消化器官の異常がないか検診
- 消化力や体の強さに見合った食事量や内容にする
明らかな病気ではなく、持って生まれた虚弱さが拒食の原因になっている場合は日々のケアで対応します。どんなに工夫をしてもフードを食べない場合、信頼できる獣医師を見つけて健康的な問題がないか徹底的にチェックしてもらうのも1つの方法です。
4.愛犬がドッグフードを食べない理由はたくさんある!ひとつずつ検証していこう
愛犬が食事を拒否すると心配になるもの。だからといってやたらにトッピングをしたり、犬のご機嫌取りをするような食事方法はおすすめしません。
- フード
- 食器
- 生活習慣
これらを見直して、愛犬が美味しく食事をできるように気を配りましょう。