- 散歩デビューはいつ頃がいいの?
- 子犬の散歩に必要なものは?
- ワクチン終了まで散歩させてはダメといわれたけど本当なの?
散歩デビューの時期については獣医師や訓練士によっても意見に差があり、子犬の散歩を始めていいのかダメなのか悩みますよね。
一般的には生後90日くらい、幼犬期のワクチンが終わった頃から散歩を始めるとされます。
私は月齢の低い子犬を迎えたことがないので、散歩デビューは「子犬が新しい環境に馴染んだらすぐスタート」です。
最速はバロンです。夕方に家に来て晩ごはんをもりもり食べてぐっすり眠り、翌朝には外を興味深そうに見ているので、庭に出て様子を見たあと家の周りをぐるっと1週しました。
ラファは少し神経質なところがあり環境に馴染むまで1週間ほどかかったため、散歩デビューものんびり開始。最初は外の環境を怖がって歩かせるのも一苦労です。慣れるまでは家の中や庭でボール投げや引っ張りっこ遊びをして運動量を確保しました。
散歩をいつから始めるのか、どの程度の距離から始めるのかは、犬の性格によって変わります。飼い主が様子をみながら外の世界に慣れさせつつ、必要な運動量を確保します。
この記事では、初めての子犬を迎えて、いつ頃から散歩を始めようかと悩んでいるかたに、散歩デビューの適切な時期とやり方を説明します。子犬の散歩での注意点や準備なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。
1.子犬の散歩はいつからスタート?
一般的には2ないし3回目のワクチンが終了してから、生後90日くらいに散歩デビューします。しかしこれはあくまで一般論で、飼い主の考え方で変わってきます。
- 家に来てから数日〜1週間後
- 生後90〜120日くらい
早くに社会経験を積むことを重視する場合は60〜70日くらい、家に来てから数日〜1週間後には散歩をスタートさせます。子犬が家に慣れて体調が良さそうならすぐ散歩デビューです。
感染症などから子犬を守ることを重視する場合は、90〜120日くらいまで外を歩かせない(庭にでる程度)です。
また中間の案として、ワクチン終了まではカートやキャリーなどに子犬を入れて疑似散歩を行い、大丈夫な月齢となったら歩く散歩にする方法もあります。
どれがいいということはありませんが、なるべく恐怖心や警戒心の薄い時期に外の世界を経験したほうが馴染みやすいといわれます。長い期間を家の中だけで過ごすと、外を必要以上に怖がり散歩嫌いになると言う意見もあり、早くから外に連れ出すことを推奨する人もいます。
社会化を優先するか、感染症予防を重視するか、どちらの意見にも理があり優劣はありません。散歩デビューの時期をいつにするかは完全に飼い主の判断や価値観で決めるものです。
私は社会経験重視で、子犬が家に来て2〜3日したら健康に問題がない限りどんどん散歩に連れ出します。ただし最初は短めの様子見で、初回からガッツリ歩かせるようなことはしません。
2.【子犬を迎えたら】散歩デビューの準備をしよう
子犬の散歩デビューに向けての準備は、子犬を迎える前あるいは迎えてすぐに開始します。いつ散歩させるかは未定でも、準備だけは万全にしておくのが基本です。
2-1.【用意するもの】散歩の持ち物をそろえる
散歩に必要なアイテムをそろえておくことは忘れてはなりません。さまざまなグッズがありますが、子犬期には必要最低限にしておきます。
散歩に慣れない初心者のうちにアレコレそろえても、結局使わないで無駄にすることも多いです。まずは余計な機能がついていないシンプルなものをそろえましょう。
- 首輪
- リード
- うんち袋
- 水(洗い流し用)
- お散歩バッグ
- 反射板やライト
散歩は両手が空いていたほうが不測の事態に対処しやすいため、散歩バッグはヒップバッグやポシェットなど、手に持たないタイプがおすすめです。
散歩が夕暮れ時や夜になる場合は、飼い主と犬に反射板のついたベルトや犬具を装着します。排泄物の片付けに手元を照らせる首掛け式のライトがあると便利です。
2-2.首輪やリードに慣れさせる
子犬の散歩デビューに欠かせないのが、首輪やリードです。基本的に最初はハーネスではなく首輪にします。
- 軽くてつけている負担がない
- サイズ調整がしやすい
- つけっぱなしにできて慣れるのが早い
- しつけ教室は首輪で習うことが多い
- 安価で買い替えしやすい
ハーネスは引っ張ったときの犬への負担が少ないので子犬に向いているかというと、実はそうでもありません。
ハーネスは装着が手間で、つけっぱなしも不可。子犬に毎回付け外しするのは意外と面倒くさいです。日々成長する子犬ではサイズ合わせが間に合わず、大きめにするとゆるくて抜けてしまうなど危険も多く、最初の犬具は首輪のほうが向いています。
子犬はすぐに大きくなるので首輪も何度か買い替えます。子犬期の首輪は安いもので十分ですよ。
リードも嫌がる子犬が多いので、つけることに慣れさせます。家の中でリードを付けて歩かせる練習をすると、散歩デビューがスムーズになります。
リードを付けて歩かせると、最初は紐がついてくることにびっくりしたり、嫌がって大騒ぎすることがあります。暴れる子犬にびっくりして、飼い主が大げさに対応するのはNG。
何回かつけているうちに慣れるので、リードが絡まったりしないように注意しつつ、子犬の行動を暖かく見守りましょう。
2-3.毎日外に連れ出す【心配なら庭やベランダでもOK】
散歩をしなくても、毎日外の空気を吸わせることが大事です。外に出て太陽の光を浴びることで、子犬の心身の健康も良くなります。
雨の日や風が強く寒い日、暑すぎるときは無理に外に連れ出さなくてもいいです。気候のいい時間に5分10分とかの短時間でも構いません。
抱っこは腕がつかれるのと、子犬が暴れたときに落としてしまうため極力避けます。カートやドッグスリングなどを使えば安全に外に連れ出せます。必要なら購入しましょう。
また外に出るときは歩かせる予定がなくても首輪とリードは必ず付けます。首輪が抜けないようにサイズ合わせをきっちりやって、装着時に毎回チェックします。
2-4.飼い主について歩くことを習得
リードや首輪をつけた状態で飼い主のそばに呼んで、一緒に歩く(ついて歩く)習慣をつけさせます。おやつを使いながらでもOK。
完全に習得させる必要はありません。子犬がなんとなく飼い主の周りをチョロチョロ歩いているくらいでも大丈夫です。
家では飼い主の周りを歩けても、散歩で外を歩けば子犬は興味がある方へフラフラ行ってしまいます。しかし普段から飼い主の近くを歩くように誘導していると、比較的呼べば戻ってきやすいです。
この練習はしっかりトレーニングする段階になると「呼び戻し」と「脚側行進」という項目に変わってやり方やクリア条件も厳しくなります。
子犬のうちから習慣化しておくことで、散歩の引っ張りグセや脱走が格段に減り、トレーニングもやりやすくなります。
散歩の練習についてはこちらの動画がわかりやすいです。おうちで実践してみてください。
2-5.飼い主が犬具の扱いに慣れておく
リードの扱いは意外と難しく、正しく扱えていない飼い主も多いです。正しい持ち方をしていないと、犬が急に動いたときに手からリードがすっぽ抜けて事故になることもあります。
- 首輪の正しい装着方法
- 正しいリードの持ち方
- リードのさばき方など
最低でもこの3点について正しい知識を持ち、ある程度は使い方も慣れておきます。リードの扱い方がよくわからない、心配だという方は、パピークラスなどでトレーナーに聞いて練習しておきましょう。
YouTubeでもリードの正しい持ち方やさばき方を勉強できます。参考にしてください。
3. 散歩デビューの注意点6つ
子犬を散歩させるときに飼い主が守るべき注意事項があります。散歩のさせ方によっては子犬を散歩嫌いにしてしまうので、NG行為は絶対にしないように心がけましょう。
3-1.慣れるまでは夜や雨の日は散歩しない
子犬と飼い主がお互いに散歩に慣れるまでは、明るく天候のいいときに散歩をするようにします。
- 暗いと子犬の様子がよくわからない
- ほかの通行人から子犬が見えにくい
- 雨音や暗がりを怖がる子犬もいる
- 傘やライトなど余計な荷物が増える
- 子犬が雨に濡れると病気の原因になる
夜道では子犬の様子が分からず拾い食いに気付かなかったり、段差や危険物を見落としてケガをしたりしやすいです。私は子犬の様子に気を取られ、無灯火の自転車とニアミスしたことがあります。
夜道は危険が多いので、慣れるまでは家族と協力して2人で散歩するなど、安全に配慮しましょう。
子犬を雨の日に散歩させるのはNGです。レインコートを着せて散歩させるのは、ある程度成長してから。病気予防の観点からも、体力の低い子犬のうちは雨に濡れるような散歩はできるだけ避けてください。
3-2.【徐々に時間や距離を増やす】犬のペースを尊重する
最初はゆっくりと、子犬が新しく触れる世界を観察する時間を与えながら歩きます。
警戒心の強い子犬の場合、散歩中のわずかな物音や通行人などの刺激があるたびに止まります。このとき「大丈夫よ、早く歩きなさい」と無理に歩かせるのは禁物です。
子犬が動き出すまで、飼い主も子犬の様子をみながら止まって待ちます。子犬が一時的に止まっても、時間が経てばまた歩きはじめます。
例えば初めて見る噴水で子犬がフリーズしたとき。子犬の行動によって飼い主も行動をかえます。
- 子犬と一緒に止まって噴水を観察(時間が許すなら子犬が飽きるまで見せてあげる)
- 子犬が興味を示して噴水に近づくならゆっくり近づいて一緒に噴水を観察
- 子犬が怖がって急いで離れようとしたときは、無言で落ち着いてゆっくり離れる
時間がないときはおやつで気を引いて興味をそらし、散歩の続きを促します。おやつに反応しない場合は、いったん抱き上げて移動し、噴水から離れたところで子犬をおろして散歩を再開します。
人間にとっては面白みのないただの道路でも、子犬にとっては初めてだらけの未知の世界です。臆病な子は警戒心いっぱいで、好奇心の強い子は興味津々で歩いています。
最初のうちは子犬のペースを尊重し、通行のじゃまにならないように配慮しつつ、やさしく見守ってあげましょう。散歩が当たり前にできるようになったら、リーダーウォークで散歩できるようにレベルを上げていきます。
子犬が散歩で歩かなくて困った場合の対処法は以下の記事で解説いしています。よかったら参考にしてください。
【関連記事】子犬が散歩で歩かない!散歩を嫌がる理由とその解決方法
3-3.真夏や真冬の散歩は気温対策をする
子犬の散歩デビューが真夏や真冬になる場合は、温度差で子犬が体調を崩さないように対策をします。
- 朝方の涼しい時間に散歩する
- 夜は日が落ちてから短めに散歩
- 飲水を準備
- 冷感グッズを利用する
夏は暑さ対策をしっかりするのが何より大事。犬は人間よりも暑さに弱く、熱中症になりやすいです。暑い中を無理に長時間散歩をさせず、家の中で引っ張りっこ遊びを多めにして運動量を確保するのもいいでしょう。
- 風をさえぎれる素材の服で防寒
- 日中の温かい時間に散歩
犬は比較的寒さに強い生き物なので、冬はそこまで神経質にならなくてもいいです。
ただしずっと空調の効いた場所にいた子犬は、温度差に不慣れで体温調節が下手です。暖房の効いた部屋からいきなり屋外に出ると、体温調節がうまくいかず子犬が体調をくずすことがあります。
散歩前に玄関など外気温に近い場所で10〜30分ほど体を慣らしてから外に出ると、温度差の影響を受けにくいです。
3-4.拾い食いには十分に注意する
普段は気になりませんが、道路には大量にゴミが落ちています。犬の散歩をしていると、普段通る道に子犬が誤飲しそうなものが大量にあることに気づくはずです。
子犬は何でも口に入れてしまいます。落ち葉くらいなら口に入れても大した影響はありません。しかしプラごみとなると飲み込んだら危険が伴います。
まれに心無い人がまいた毒餌が問題になることもあります。除草剤で中毒になる子犬も毎年いるため、公園や農地周辺の除草剤散布の日程にもよく注意しましょう。
3-5.ほかの通行人や犬が来た場合は止まって待つ
散歩に慣れないうちは、ほかの通行人や犬に興味を示しても近づけずに、止まって通り過ぎるのを待ちましょう。慣れてきたら歩いてすれ違えるようにします。
最初から散歩中にほかの犬に近づけるのはやめましょう。散歩中のご挨拶はしつけが終わってからと心得てください。
もし相手の犬や飼い主が挨拶していいか聞いてきたら「まだ散歩練習中なので、成長したらお願いします」と断ってもいいです。
3-6.【清拭でOK】散歩ごとの足洗いはしなくていい
泥まみれになったなど特別な事情がない限り、散歩の後の足は清拭して家に上がるようにします。
毎回お風呂場に連れて行って足を洗うと、肉球が荒れたり足の指が蒸れて皮膚炎になったりするので注意してください。洗い過ぎは皮膚のバリア機能を削ってしまうので、過剰な足洗いはやめましょう。
4.子犬の間は要らない!最初からそろえなくていい散歩アイテム
子犬の間は不要な散歩アイテムです。そろえても高確率で無駄になるので注意しましょう。
- ハーネス
- 伸びるリード(フレキシリード)
- レインコート
ハーネスはサイズがシビアで子犬の体にきちんと合わせるのが難しいため、体が完成して体格の変化がなくなるまでは基本的に使いません。
伸びるリードも散歩では使いません。公道など人通りのある場所で使用するのはマナー違反です。
最近では多くの公園でフレキシリードの利用が禁止されているため、使う場所も減って意味がない道具になってきました。
レインコートも最初はいりません。ある程度の期間様子をみて、雨の日でも散歩に行くことが多い場合のみ購入を検討します。
5.散歩デビューは生後90日以降が標準!デビュー前の準備も念入りに
散歩デビューは生後およそ90日が目安です。それまでに散歩に必要な道具を準備して、散歩の練習をしておきましょう。
散歩デビューではNG行為に注意して、愛犬と末永くお散歩を楽しめるように慣れていきましょう。