- 犬のしつけや飼い方について詳しく知りたい
- 犬のしつけ初心者におすすめの本はどれ?
- ほかの飼い主はどんな本を読んでいるのかな
犬の飼い方やしつけに関する本はたくさんあります。どの本も有用ですが、できるだけ目的に沿っていて読みやすい本が良いですよね。
犬の飼い方やしつけには本当に色々な意見があります。著者によって犬の飼育やしつけに対する考え方が違うので、何冊か読んで比較するのがいいです。
そこで今回は、私が読んでみて内容がいいと思った犬のしつけ本をタイプ別に7冊ご紹介します。しつけ本を参考にするときに知っておきたいことも解説していますので、よかったら参考にしてください。
1.【しつけの基本から問題解決までわかる】おすすめしつけ本3選
ここで取り上げるのは、しつけの基本を理解することや、しつけの問題を解決できることがメインの内容になっている書籍です。
- どんな困った犬もこれで大丈夫! 体罰ゼロのポチパパ流 犬のしつけ大全
- ザ・カリスマ ドッグトレーナー シーザー・ミランの犬と幸せ に暮らす方法55
- 犬にウケる飼い方 (ワニブックスPLUS新書)
1-1.どんな困った犬もこれで大丈夫! 体罰ゼロのポチパパ流 犬のしつけ大全 単行本 – 2022/7/1
YouTubeで人気の、保護犬活動や問題犬の改善トレーニングで有名なポチパパさんの著書です。しつけや犬特有の行動がコントロールできずに悩んでいる方におすすめ。
犬との接し方や向き合い方、必ずやりたいしつけ、問題行動の改善方法が中心の内容です。ポチパパの犬への愛が詰まった一冊で、しつけに悩む飼い主に気づきを与えてくれる本です。
YouTubeでは実際の問題行動のトレーニングの様子も見られます。私もチャンネル登録していますよ。書籍と合わせて視聴すれば、よりしつけのイメージが湧きやすくなります。
1-2.ザ・カリスマ ドッグトレーナー シーザー・ミランの犬と幸せ に暮らす方法55 単行本 – 2015/9/18
ナショナルジオグラフィックの問題犬トレーニングで大人気の、アメリカのドッグトレーナーの飼育としつけの方法が書かれた本です。
問題行動の事例も豊富にのっているため、愛犬の問題行動に悩んでいる飼い主さんの突破口になるかもしれない1冊です。
飼い主が犬のリーダーになる方法や、犬を擬人化しないなど、犬を導くための考え方が学べます。
1-3.犬にウケる飼い方 (ワニブックスPLUS新書) 新書 – 2021/10/8
「褒めるしつけ」を日本に広めた、スタディ・ドッグ・スクール代表の鹿野正顕(かの まさあき)さんの著書です。
犬と人が対等な関係を持ち、褒めて伸ばすしつけが解説されています。規律重視・飼い主が犬のリーダーになる欧米式のしつけが苦手な方は、こちらの書籍を参考にするといいです。
YouTubeチャンネルでも、本書と同じ理論を用いたしつけ方法のハウツー動画が公開されています。本で理論を学んだうえで動画を見るとより理解が深まりますよ。
スタディ・ドッグ・スクールのYouTubeチャンネルはこちら
2.【愛犬の気持ちがわかるようになる】犬を理解して問題にアプローチできるおすすめしつけ本2選
しつけの問題に向き合いたい方向けの3冊です。愛犬が「なぜ」そのような行動をするのかを理解してしつけに取り組むための本になります。
- 「困った行動」がなくなる犬のこころの処方箋
- イラストでわかりやすい! 愛犬との絆がぐーっと深まる本
2-1.「困った行動」がなくなる犬のこころの処方箋 単行本 – 2022/2/19
「犬とのよりそイズム」を提唱する獣医師の村田香織さんの著書です。犬の心理から問題行動を読み解き対処するという犬に寄り添った内容になっています。
ほかのしつけ本との違いは「問題行動について犬目線で語られていること」です。「愛犬がどうしてこんな行動をとるのか、その心理を知りたい」というときに役立ちます。
愛犬との意思疎通が上手くいかず、普段の生活やしつけに悩んでいるなら、問題解決のヒントになる本です。
2-2.イラストでわかりやすい! 愛犬との絆がぐーっと深まる本 単行本 – 2022/2/2
犬の問題行動に潜む気持ちをわかりやすいイラストで解説しています。多くの内容はYouTubeの内容をコンパクトにわかりやすく章立てまとめたものです。
愛犬の気持ちがつかめずコミュニケーション不全を感じている飼育初心者に優しい内容です。
この本を読めば「愛犬が何を思ってそのような行動を取るか」を理解して、適切な対応ができる飼い主になれます。
著者のゆきさんは犬の気持ちや行動に関する動画をアップしている人気YouTubeチャンネルの運営者です。動画を視聴すれば書籍の雰囲気もわかりますよ。
3. 【基礎知識をつける】犬を飼う前に知っておきたいことや基本を知るおすすめの本2選
ここで紹介しているものは、しつけだけでなく基本的な犬についての理解や飼育に関する知識も欲しい人向けの本です。
- 犬との暮らし大事典 (いぬのきもち特別編集)
- 室内犬の飼い方・しつけ・お手入れのすべて
3-1.犬との暮らし大事典 (いぬのきもち特別編集) ムック – 2017/3/11
古くからあるドッグオーナー向け雑誌「いぬのきもち」の初心者向け解説本。読者である先輩飼い主さんの体験談や、雑誌で解説している専門家の解説をまとめた特別編です。
いぬのきもちは雑誌もおすすめ!犬を飼い始めたばかりの頃はよく読んでいました。
はじめて犬を飼う人が気になる飼い方・お手入れ・しつけのことが網羅的に解説されているため、幅広い知識が体系的に学べる良書です。
大判で写真がたくさんのっていて楽しく読めます。犬を飼いたい人や飼育初心者のための導入本として最適の1冊です。
3-2.室内犬の飼い方・しつけ・お手入れのすべて 単行本 – 2014/3/19
刊行年が少し古いけれど良書です。室内犬をはじめて飼う人に向けて、基本や犬種の特徴などをわかりやすく解説している本です。
写真やイラストなどが多く解説文もフレンドリーなので、とっつきやすいのも特徴です。コンパクトに内容がまとめられているため、ざっくりと室内で犬を飼うということをイメージできます。
おすすめの犬の飼育アイテムなども紹介されているため、飼育準備にも役立ちますよ。
4.【しつけ本のメリット・デメリット】書籍は新しく犬を飼うたびに参考にしている
私は多頭飼いをしないので、前回の子犬の飼育から次の子犬を飼い始めるまで、10年以上時間があくこともざらです。そのため毎回新しく犬を飼う前にかならず最新の飼育法やしつけ法を勉強しています。
今では書籍だけでなく、YouTubeやドッグトレーナーのブログやSNSなどにも目を通すようにしています。本当に情報が手に入りやすくて便利になりました。
しつけ本は犬に関することが広くカバーされている内容が多く、最近ではしつけや飼い方の復習のために手に取ることが多いです。
4-1.しつけ本のメリット
- 価格が安い(専門家への相談と比較して)
- 犬の飼育について幅広く学習できる
- いつでも読めてスキマ学習も可能
しつけ本は安価で犬のしつけや飼い方など総論の勉強に最適です。紙の本なら動画解説よりも目に優しく疲れません。
ちょっとした疑問を感じたときに、ぱっと確認できるのも書籍のいいところ。体系的に飼い方からしつけ方法まで網羅されているため、手元に1冊置いておくだけで安心できます。
3-2.しつけ本のデメリット
しつけ本は便利ですが、学ぶときには注意しないといけないこともあります。
- 一般論ばかりでつまらない
- 初心者向けの内容が多い
- 極端な意見や時代遅れの情報もある
しつけ本の中には、ざっくりした総論ばかりで役に立たないと感じる書籍もけっこうあります。古いタイプのしつけをする著者の本だと、今の常識では否定されていることも平気で書かれています。
また、初心者向けの内容がほとんどなので、突っ込んだ内容が書かれていることは少ないです。私は物足りなくなってドッグトレーナー用の教材を読み漁った時期もありました。
しつけ本は、初心者が基本的な飼育方法やしつけ法を体系的に知るために使ったり、久しぶりに犬を飼う経験者が情報をアップデートするのに向いています。
用途を理解して、自分にあったしつけ本を選ぶことが失敗を防ぐコツです。
5. しつけ本を読む前に知っておきたいこと
しつけ本で知識を得ることは素晴らしいことですが、落とし穴もけっこうあります。注意点を踏まえて本を読み、無駄に悩んだり古い情報や間違った情報に振り回されたりしないようにしましょう。
5-1.【3冊くらいは必要】1冊では物足りない
初めて犬を飼う人が、本を1冊読めば犬の飼い方やしつけ方がすべてわかるほど、世の中は甘くありません。むしろ1冊読むと「もっとここが詳しく知りたい」と思うことが多いです。
そのためしっかり理解したい場合は、傾向のことなるしつけ本を3冊程度は読むことになります。複数の本を読むことで犬についてより多角的に理解できるため、複数冊読み込むのはいいことです。
ただし本を複数読むことで、初心者には難しい判断が必要になることもあります。
- 筆者によって主張がことなる
- 同じしつけでもやり方が複数ある
- どの本にもざっくりしか書いてなくてイメージしづらい
読み手に犬を飼った知識や経験があると「この意見は有用だな」「これに関してはAよりBの本がいいこと書いてある」と判断できます。
しかし初心者は内容を判断する基準がないので、最初は本ごとに違う主張に悩むこともでてくるでしょう。
初心者はわからないなりにとりあえず何冊か読んでみるのがおすすめ。そのうえで以下のスタンスでいくといいですよ。
- どの本もだいたい同じことが書いてある部分はそのまま採用
- 主張が本ごとに異なる場合は自分が直感的に好きな意見を選択
- 記載がない・曖昧な表記の部分はケースバイケースだと考えて深く悩まない
本で学べることは、実際に犬と接して得られる知識・経験の何百分の1程度です。書いてあることがすべてではないと理解して読んでください。
5-2.【ピンポイント対応はない】総論や一般論を学ぶもの
書籍は多くのユーザーに向けて書かれています。個別のケースやレアケースの記載があることはほとんどないです。
そのため総論や一般論を学ぶのには適していても、個別の事情を解決したいときにはあまり役に立ちません。
しつけ上のトラブルなど個別の事情を把握してきちんと事態を解決したい場合は、本で勉強するよりもドッグトレーナーに相談したほうが早いです。
5-3.【常識は常に変わっている】刊行年は新しいものを選ぶ
人の生活様式の変化にともない、犬の飼い方は日々進化しています。
いままで当たり前のように実施していたしつけが現在では効果がないと廃止されていたり、やり方が変わっていたりすることは日常茶飯事です。
かつては犬を力で抑えて指示を聞かせるのがしつけだった時代もありました。しかし今の時代にそんなことをやったら虐待といわれ、飼い主失格の烙印が押されます。
古い書籍を参考にしてしまうと、現代のしつけ方法や飼育スタイルに合わずにモヤッとすることが出てきます。なるべく刊行年の新しい書籍を参考にしましょう。
3-4.【専門家は頼りになる】本以外の情報収集も大事
本に書かれていることはごく一般的な内容です。飼い主によって犬の飼育事情が異なる以上、参考にならないことも多々あります。
詳しく知りたいときは地元のトリマーやドッグトレーナーなど専門家に意見を聞いてみるのも大切です。
意外となんでも答えてくれます。わからないことは「うちでは相談に乗れない」とはっきりいってくれるので、飼い主にはありがたいですよ。
相談できそうな地元のほかのサービスを紹介してくれることもあります。情報収集は本だけに頼らず、地元の犬業界ネットワークを活用してみてください。
6.しつけ本で正しい知識を身につけて愛犬と楽しく暮らそう
犬を飼う前やしつけのために書籍で飼育法やしつけ方法を学ぶのは効率がよく、おすすめの勉強法です。
ただし書籍は筆者の経験や考え方によって主張が異なります。すべてを鵜呑みにせずに、複数の情報をもとに判断することも必要です。
またすでに問題行動が出ている場合は、書籍だけで解決するのが難しい場合もあります。トラブルが深刻ならしつけ教室や専門家への相談も検討しましょう。