「ペットショップよりブリーダーのほうがいいって本当?」「ブリーダーってどうやって探すの?」と悩んでいませんか?
ペットショップの悪評がSNSで流れたり、一部のドッグトレーナーなどがペットショップから買わない方がいいと発信していることもあり、ブリーダーから子犬を購入したいと考える人も増えています。
しかしほとんどの人にとって犬のブリーダーは馴染みのないものです。犬を飼ったことがない初心者が何も知らずに探しても、なかなか優良ブリーダーに出会えません。悪質ブリーダーにカモにされてしまった悲しい飼い主さんもいます。
そこでこの記事では、ブリーダーで子犬を買うことのメリットとデメリット、ブリーダーの探し方から子犬を迎えるまでの流れなどを解説します。ブリーダーから子犬を迎えるか考えている方はぜひ参考にしてください。
1.ペットショップはダメなの?犬はブリーダーから買うのがいい?
ペットショップがダメでブリーダーならいいかというと、そんな単純な問題ではありません。悪質ブリーダーから買うくらいなら、ちゃんとしたペットショップで買うほうがよほどいいです。
一般的にペットショップよりブリーダーから直接犬を譲ってもらうほうがいいといわれるのには、以下のような理由があります。
- 60~90日齢まで親や兄弟と過ごしている
- 犬の繁殖や犬種への知識が深い
- 子犬や親犬を見て購入できる
優良なブリーダーは子犬が十分に成長するまできちんと面倒を見てから引き渡してくれます。子犬はすでにワクチンプログラムを終えていて、環境の変化に対するストレスにも耐えられるまで成長していてトラブルも少ないです。
子犬だけでなく親犬を見ることができるため成長後の犬の姿を想像しやすく、性格の欠点なども予見しやすいともいわれます。ブリーダーの繁殖に対する信念や理想の犬種像などを聞くこともでき、理想の子犬を見つけやすくなっています。
また犬舎の環境をチェックできることもブリーダーから買うといいとされる理由です。ただし犬舎見学はチェックする人に知識がないとただの見物で終わってしまうため、きちんと勉強した人でないとあまり意味はありません。
犬の知識がない場合は見学しても無駄なことも。ちゃんと犬舎の良し悪しを判断するなら、ある程度は犬のブリーディングの現状を理解しておく必要があります。
自分で犬やブリーダーの良し悪しを見抜けない場合は、必ずしも自分でブリーダーを見つけることが最善とはなりません。すでに犬を飼っている人や地元の犬業界の人に信頼できるところを紹介してもらうのが無難です。
2.犬をブリーダーから買う3つのメリット
ブリーダーから直接犬を購入することは、ペットショップで犬を選ぶときとは違ったメリットがあります。とくにメリットが大きい3項目について解説します。
2-1.犬種標準をしっかりと満たしている優良な子犬が多い
しっかりしたブリーダーが繁殖した犬は、健康で犬種標準をきちんと満たしている子犬が多いです。「この犬種がいい」と魅力を感じて探しているなら、なるべくイメージ通りの犬を飼いたいですよね。
多くのブリーダーは自分の繁殖している犬種のファンシャーであり、犬種や系統について詳しく知っています。その上で適切な交配をして、理想的な犬種の維持に努めています。
残念ながらいまの日本では、売れればいいと適当な交配をする悪質なブリーダーも多く、犬質はピンキリです。良いブリーダーから買わないと、飼ってから後悔することもしばしば。
きちんとしたブリーダーから買えば、とりあえず血統上は純血種だけど、どう見ても体格や毛色がイメージする純血種像と違う、先天的な問題があるといったことはまずないです。安心して犬を飼うことができます。
2-2.犬種特有の問題などについての説明や飼ったあとのフォローもある
ブリーダーはその犬種を飼うプロでもあるため、犬種特有の注意点や飼育管理の方法を教えてくれます。飼い主ができる被毛の手入れ方法などのレッスンをしてくれることもあります。
今いるすべての犬種(純血種)は、人工的に交配をくり返して作られたものです。作出の過程で遺伝的な欠陥があることも、血統を守るための繁殖で飼い方に注意が必要となる特徴が出現していることも普通です。
健康面だけでなく、しつけについても簡単なものならフォローしてくれたり、知り合いのしつけ教室や動物病院を紹介してくれることもあります。売ったらおしまいということはありません。
2-3.ペットショップより安い
生体市場やペットショップの利益分がないため、同じくらいのグレードの子犬ならペットショップより価格が安くなることが多いです。値引き交渉も可能です。
ただし子犬の価格はブリーダーの言い値のことが普通なので、相場などを理解していないと高値で売られてしまうこともあるので注意しましょう。
犬の価格は犬種や血統、被毛の色や体格によって天地の差があるよ。この辺はとても難しくて、知識がないとそもそも該当の子犬の値段が妥当なのかもわからないの
ぼったくられないためには、なるべく即決は避けて複数のブリーダーの犬の値段を比較します。また「この子犬高いな」と感じたら無理をせず、購入を思いとどまることも必要です。
3. 犬をブリーダーから買う3つのデメリット
ブリーダーから直接犬を購入する場合、買う側に知識がないと後悔することになりかねません。初心者がとくに陥りやすい注意点ともいえるデメリットを3つ紹介します。
3-1.【詐欺・ボッタクリ注意】悪質ブリーダーもいる
悪質業者はネットでブリーダーを探した人に多いパターンです。値段の割に犬質が悪い、先天性疾患を隠していたなどトラブルも多く聞かれます。
- 犬舎見学をする
- 犬種の価格相場を知っておく
- 信頼できる人に紹介してもらう
- 犬に詳しい人に付き添ってもらう
- その場で即決しない
犬舎見学をさせてくれないブリーダーから子犬を買うのは危険です。犬舎見学を断られたらその犬舎で犬を購入するのは諦めましょう。
1番いいのは詳しい人におすすめの犬舎を紹介してもらうか、犬舎見学に付き添ってもらうこと。ブリーダーも犬の見分けができる人や明らかに詳しい人にボッタクリを仕掛けることはありません。
またその場の雰囲気で子犬の購入を即決しないことも重要です。一度持ち帰って検討するなど、冷静な状態で判断するようにしましょう。
3-2.【知識が必要】犬質の見分けができないと厳しい
ブリーダーに限らず、子犬を購入するときはその子犬の状態を見極めなければなりません。
- 犬種の特徴をよく兼ね備えているか
- 心身ともに健康そうか
- 臆病なのか気が強いのか
- 母犬の性格は神経質でないか
子犬の様子を見たりブリーダーに質問したりして、子犬の状態をチェックします。せっかくブリーダーから購入するのだから、活発さや気の強さや賢さも兄弟犬と比較して自分との相性が良さそうな犬を選びたいもの。
しかし、知識がないと結局よくわからずに容姿だけで選んでしまいがちです。犬に関する知識や犬を飼った経験がない場合、犬を見分けられないために相性の悪い子犬を選んでしまう失敗もあります。
3-3.人気犬舎の犬は高額かつ予約待ちが当たり前
人気犬舎や優良ブリーダーの犬は本当にいいです。ブリーディングに信念を持っていて、良い犬を生み出してくれます。
私は今まで自分では優良犬舎の犬を飼ったことがなく、ほかのオーナーさんの犬を見せてもらうばかりですが、同じ犬種でもやっぱりぜんぜん違う!この犬舎の犬を飼ってみたいな〜って憧れます。
そんな優良犬舎の子犬は当然人気です。価格も高く予約待ちが当たり前で、種付け前から予約が入っていることもあります。
最初は期待して楽しみにしているものの、待っている間に犬を飼いたい熱がさめてしまうことも。せっかちな人は「予約待ちするくらいなら別のところで買おう」という気分になってしまうデメリットがあります。
4.ブリーダーから子犬を受け取るまでの一般的な流れ
ブリーダーから子犬を受け取るまでにはいくつかの段階があり、予約をしてから子犬を迎えるまでに1年以上かかることもあります。
- ブリーダー(犬舎)を探して連絡を取る
- 飼育環境や親犬の見学
- 生まれる予定の子犬の予約をする
- 子犬が生まれたら子犬を見に行く
- 気に入った子犬がいれば譲渡契約をする
- 引き渡し可能月齢になったら受け取る
ブリーダーは子犬が生まれていなくても予約を受け付けていることがあります。その場合は次の交配予定を教えてくれて、待てるようなら予約を入れて子犬が生まれるのを待つのが一般的です。
予約を入れても子犬の数が少ないと購入できない場合があるので、予約するかよく考えましょう。購入できなかった場合、諦めるか次の子犬が生まれるまで待つかの判断が必要です。
子犬が順調に育ったら連絡が来て、見にいって気に入った子犬がいれば購入予約をします。子犬は引き渡し日まで大切に育てられ、飼い主は必要なら代金の入金をして、飼育グッズをそろえるなど子犬を迎える本格的な準備をします。
すでに子犬が生まれている場合は、子犬ごとに予約を取ることもあります。子犬の写真つきで予約を受け付けているブリーダーもいて、マッチングサイトなどを利用するブリーダーに多い形式です。
- ブリーダー(犬舎)と連絡を取る
- 飼育環境や親犬と子犬の見学
- 子犬が気に入れば譲渡契約をする
- 引き渡し可能月齢になったら受け取る
犬舎や親犬・子犬の様子は実際に犬舎を訪問するのが理想です。遠方で直接出向くのがむずかしい人のためにオンライン見学ができるブリーダーもいるので、多少遠くても気に入った子犬がいたら連絡してみるのもいいでしょう。
5.初心者がブリーダーを探す方法3つ
「いままでブリーダーの存在すら知らなかった」という超初心者がブリーダーを探す方法は3つあります。悪質業者を避けるためにも、なるべく地元で古くから営業している業者や知り合いの伝手を利用することをおすすめします。
5-1.地元の犬業界の情報網を利用
犬業界は意外とせまくて横のつながりも多いです。そのため地元で長年営業しているしつけ教室やトリミングサロンの店長やスタッフに「子犬を探している」と相談すると、ブリーダーを紹介してくれることがあります。
もちろんコネクションがある人ばかりではないので「うちでは相談に対応できない」と断られることもあります。そのときは食い下がったりせず素直にほかをあたりましょう。
5-2.マッチングサイトを利用
ブリーダーが子犬を販売するために登録している紹介サイトがあります。みんなのブリーダーが大手で有名ですね。
- 日本全国のブリーダーを探せる
- 遠方への販売にも対応している
- すでに生まれた子犬の募集なので待たなくていい
- 中には悪質なブリーダーもいる
- 売れ残った子犬の登録が多い
- サイトの利用手数料がかかるので価格は高い傾向
マッチングサイトを利用すると、ほしい犬種や地域を入れるだけで簡単にブリーダーが見つかります。売出し中の子犬が登録されているので、予約して子犬が生まれるのを待つ必要もありません。
購入で注意するのは売れ残った子犬が混ざっていること。生後90日以上たっている子犬の登録も結構あります。不人気な毛色や見た目、人気のない犬種、体格が大きいなど売れ残る理由があってのことなので、理解した上で利用します。
育った子犬には利点もあります。ドライフードをふやかさずに食べられる、体力がついている、すぐに散歩デビューができる、しつけもすぐにスタートできるなど飼い始めるのが結構ラクです。あえて少し育った子犬を探す人もいるくらいなので、気にしないならおすすめです。
さらに注意したいのが悪質なブリーダー。サイトも悪質ブリーダーを排除するように工夫してくれていますが、完全にゼロにはできません。自己防衛を忘れないようにします。
犬舎見学をしたら必ず購入しなければならないわけではありません。違和感があったら断る勇気を持ち、納得できる相手からのみ子犬を購入しましょう。
5-3.ほしい犬種を連れている飼い主さんにどこで買ったか聞く
コミュニケーション力に自信のある方向けです。「すごい可愛いですね、どこのブリーダーさんの犬ですか?」と聞くと、一定の確率で返事がもらえます。
現役ドッグオーナーの多くはペットショップか地元のブリーダーから購入しているので、ブリーダーを探すのに役立ちます。意外と近くにブリーダーがいて定期的に子犬が販売されているなど、ネットには載っていない生の情報が手に入ります。
うまく仲良くなって嫌味なく聞き出せるなら、飼いたい犬種のオーナーさんに聞いてみましょう。地元の隠れた優良ブリーダーが見つかるかもしれません。
6.ペットの窓口は犬を飼いたい人にブリーダーを紹介しています
ペットの窓口は、ペットに関するいろいろなサービスを展開しています。ブリーダーと解体人をマッチングするサイトの運営もそのひとつ。
サイトでユーザー登録して、お住まいの都道府県と小型犬〜大型犬のいずれかを選択するだけでブリーダーとマッチングできます。