私の相棒のラファはジャックラッセルテリアです。ジャックラッセルテリアってどんな犬? 飼ってみたいという方に、この犬種を紹介したいと思います。
ジャックラッセルテリアってこんな犬

1. 歴史
イギリスで狐狩り用に作られた犬種で、オーストラリアで改良されて日本では2000年以降によく知られるようになった比較的新しい犬種です。
詳しく説明すると1800年代、イギリス・デヴォンのジャック・ラッセル牧師がキツネ狩りのために、地中に潜り込める小さな白いテリアを作りだしたのがこの犬種のはじまりです。
その後オーストラリアに渡りコーギーやビーグルと交配されて家庭犬として飼いやすく改良されました。日本のジャックラッセルテリアはこのオーストラリアで改良された犬を輸入して繁殖させた系統が中心です。
2. 容姿
体高25-30cm、体重5-6kg、見た目は非常に可愛らしい小型犬です。本当に見た目だけはかわいいんです、中身は悪魔か悪い妖精が入っていますが。
体高より体長が長いことが特徴ですが、短足タイプから脚長タイプまで幅があります。ラファは脚が長めです。
色は白に茶色(タン)や黒の斑が入ります。白が半分以上あるのが理想です。白だけや白黒茶の3色もあります。
耳は垂れ耳や半折れで、目はアーモンド形でブラウン。毛の長さによって、スムース(短い)ブロークン(一部が長い)、ラフ(長い)と分けられています。
3. 性格
陽気で好奇心旺盛、元気いっぱいで人懐こいですが、繊細で気性が荒いところもあります。俊敏な動きで、小動物やボールなど動くものには非常に敏感に反応して追いかけます。
興奮しやすく吠えやすいところがあります。吠え声はよく響き渡りうるさいです。元気よく吠えて走り回るのがこの犬の本性です。
噛んだりすることも大好きで色んなものをガジガジします。テリアなので噛む力は非常に強く、小型犬だと油断していると痛い目にあいます。
飼いにくいって本当?
よく飼いにくいとか初心者向けじゃないとか言われますけど、そこまで飼いにくい犬ではないと思います。特に主流のオーストラリア系のジャックラッセルテリアは比較的温厚です。
多分ここが飼いにくいと言われるポイントかな? と思うところはありますので以下にまとめてみました。
1. ハイパー元気で興奮しやすい
とにかく元気です。寝ている時以外はずっと動き回っています。なにか楽しいことがあったりしてスイッチが入ると興奮して猛ダッシュします。飼い主には全くわからないタイミングでスイッチが突然ONになるのでびっくりすることもあります。
それが公道だったりすると事故を招きかねません、油断は禁物です。慣れてくると予測がつくようになりますしコントロールできるようになりますが、それまではヒヤッとすることも多々ありました。
2. 甘えん坊で、しつこい
活発なので抱っことか拘束されるのは嫌いですが、人と遊ぶのは大好きです。ボール投げに引っ張りっこ、おやつ探しなど遊びのネタは沢山用意してあげると喜んで何でもやります。
たいてい飼い主が先に飽きてきて終了しようとしますが、続きを要求されます。要求鳴きも声が大きいのでうるさいです。かまってちゃんなのでとにかく相手して上げる必要があります。
3. ありえないスタミナ
疲れを知らぬ底なしの体力の持ち主です。活発すぎて他の小型犬では物足りないのかボーダコリーや大型犬と走り回ります。ラブラドールレトリバーに体力で勝ります。
日中ドッグランで走り回っても夕方の散歩はちゃんといきますし、夜の日課のボール投げと引っ張りっこもこなします。「お前散々走り回ったじゃん、まだ動くのか」と突っ込みたくなります。
4. 悪知恵がはたらく
頭の回転が早く機転がききます。賢く作業意欲が高いのでトレーニングもよくできますが、その分いたずらが多く手を焼きます。
悪い方向に出るとずる賢さばかりが育ってしまい、飼い主を振り回します。飼い主の気を引くために水飲みボウルをひっくり返すくらいは余裕でやります、ガチで。
5. 噛むのが好き
狩猟本能が強いので興奮すると飛びかかってきて噛むという行動をとりやすいです。けっこう激しいので「犬に襲われてる!」と思うかもしれません。
成長を待ちつつ少しずつ興奮を抑えるようにしつけていくのですが、それまでは時に青アザが出来るほど噛まれることもあります。
このカミカミ欲求の餌食になるのは人だけではありません。おもちゃは破壊され家具はかじられ、うっかりその辺に置いたものは持ち去られて無残な姿で発見されます。
暇になれば何かしらかじろうと狙っている、破壊魔の名は伊達ではありません。ラファは大型犬用の牛のヒヅメをかじって暇つぶししています。
ジャックラッセルテリアの魅力
ジャックラッセルテリアは元気いっぱい、飼い主を楽しませてくれる犬です。
1. 明るくて人懐こい
テリアはあまり家族以外は懐かないといわれていますが、ジャックラッセルテリアは基本的にとても人懐こくて誰にでも愛想を振りまきます。
可愛らしい容姿とあざといアピールでどこにいっても人気者です。何よりも犬がとても楽しそうにしているので癒やされます。
2. 運動神経抜群
ドッグスポーツでもよく活躍しているので、運動神経の良さはお墨付きです。
体を動かすのは大好き。トレーニングも入りやすいので、いろんな芸を覚えて楽しそうにやってくれます。
ドッグランでのじゃれ合いやかけっこのときは、とても生き生きとして他の犬達を巻き込んで場を盛り上げます。
3. 賢い
猟犬として使われていた歴史を持つ犬なので賢いです。
飼い主の言うことを素直に聞くというよりは、自分で考える力、判断力が高めだと感じます。
普段の遊びも、知能の高さや判断力を活かせるものを取り入れると良さが引き立ちます。
飼ってみて想定外だったこと

1. 毛が抜ける・手入れが大変
ジャックラッセルテリアはトリミング犬種ではないと思っていたのですが、実はプラッキングというテリア特有の被毛の手入れが必要だったのです。
プラッキングはトリミングナイフという専門の道具を使って古い毛を抜き取る作業で、素人には難しいです。
しかも、やってくれるトリマーさんがいない! トリミング料金もお高いのでテリアオーナーは自分でやることが多いです。
私も近隣のトリミングサロンに電話をかけまくってやっとやってくれるサロンを見つけ、そこのトリマーさんにやり方を習って普段は自分でやっています。
スムースはプラッキング不要ですが抜け毛が多いのでファーミネーターなどで定期的に除去することをオススメします。
2. 意外と繊細
ハイパー元気でチャカチャカしているので細かいことは気にしない性格かと思いきや、神経質なところも持ち合わせています。
初めての食べ物や見慣れないもの、慣れない場所にはかなり慎重です。1度慣れてしまうと突撃しますが。
3. しつけしやすい
初心者にはしつけが難しいという記述が多いのですが、そんなに大変ではないです。興奮しやすいので落ち着かせるのに手間取りますが、落ち着いていればよく聞き分けて行動出来ます。
作業意欲も高く食いしん坊トリーツへの反応がいいので、しつけはそこまで苦労することはないと思います。ドッグスポーツにもよく参加していますからむしろ優秀かと。
興奮しやすい性格なので、ゆるいしつけよりきっちり目のしつけを推奨します。
飼いたい方へのアドバイス
ジャックラッセルテリアは残念ながら誰にでも飼いやすい犬種ではありません。
初心者がどうとかではなく、気の強い犬にも毅然と対応できるか、犬に向き合う時間が多く取れるかがポイント。
- 犬に多くの時間を取れる、犬と遊ぶのが好きな人
- うなられたりキツめの甘噛とかされても動じない人
- きっちりしつけできる人
- 忙しくて余裕のない、体力に自信のない人
- 犬とまったり暮らしたい人
- 気の強い犬が苦手な人
ジャックラッセルテリアは、可愛らしい容姿だけをみて飼うと後悔します。
興奮しやすさや我の強さといったテリア特有の気質にも注意をはらい、しつけで良い方向に導くことも必要です。
必要な運動量は犬の中でもトップクラスです。1時間程度の散歩だけでは全然足りません。ボール投げや引っ張りっこなどの遊びと運動をたくさんしましょう。
ジャックラッセルテリアは犬と真剣に向き合う楽しさを教えてくれる犬
いろいろネガティブな部分も書きましたが、ジャックラッセルテリアは犬らしいよい犬ですよ! 上手に付き合うことができれば楽しい毎日が待っています。
従順でおとなしい犬を求める人には向きません。しかし明るくて人懐こい性格で容姿も愛らしく、人気者間違い無しのキャラクターを持っています。
犬と思い切り遊び尽くしたい人には想像以上に楽しませてくれる犬です。