犬と遊んでますか? どんな遊びが好きですか? 犬との関係を築くのに遊びは欠かせません。
追いかけっこ、もってこい、引っ張りっこなど飼い主と犬が一緒になって体を動かす遊びは人も犬も大いに楽しめます。ワクチンプログラムが終了していなくて外を歩けていない子犬の運動不足解消にも効果的です。
しかし一方で「興味を示さない」「すぐ飽きてしまう」「興奮しすぎる」といったお悩みを抱えていたり、正しい遊び方がよく分からない方もいます。
犬との遊びの中で特別なトレーニングがいらなくて、初心者でも遊びやすいのが【引っ張りっこ】です。
そこで今回は【引っ張りっこ】のやり方を詳しく解説します。ぜひ遊び方をマスターして楽しんでください!
1.遊びって必要なの?遊びで犬との絆を深めるといいことがいっぱい
犬との遊びは楽しいだけではありません。犬と人が暮らすために必なトレーニングや教育の要素を含んでいて愛犬の成長に役立ちます。
- 飼い主(人間)の行動や心理の理解
- 遊ぶときの力加減(甘噛みの学習)
- やっていいこと・悪いこと
- もってこいが自然とできるようになる
子犬は遊びを通じて飼い主を理解したり、楽しく遊ぶために力加減を調整したりして成長します。トレーニングでは教えられない微妙な駆け引きや、愛情表現を学ぶこともできます。
子犬期の遊びの重要性を理解していると、たくさん遊ばせてあげようという気持ちになります。私もたくさん遊んであげられるようにしています。
おもちゃでたくさん遊ぶのは子犬期が中心になります。成犬になると遊びへの興味が薄くなってしまうので早いうちにたくさん遊んで良い犬に育ててあげましょう。
2.実際におもちゃで遊んでみよう
実際に引張りっこ遊びをする流れです。
- ロープや引張りに耐えられるおもちゃを用意
- 犬の注意をおもちゃに集める
- おもちゃの端や中央など引張りやすいところを咥えさせる
- 押したり引いたりゆっくり引張り合いをする
- 犬が興奮して来たら短く持って動きを止めて休止
- 犬がおもちゃを離したら投げる
- おもちゃを犬に回収させて持ってこさせる
- 3~7を数回繰り返して飽きる前に終了
文字にすると長いですが、以外に簡単で誰でもすぐできます。イメージが湧きにくい方は、実際にやっている動画で動きを確認してください。(かなり激しく唸っていますが問題ありません)
2-1.用意するものはロープ1本でOK
ドッグトイとして売られているものなら何でもOKです。犬種サイズに合ったものを選んでください。
短いと手を噛まれやすいため、おもちゃは長めのものをオススメします。長すぎるなと思ったら短く持てば良いので長い分には問題ないです。
激しく動くのでフローリングだと滑る場合があります。安全のためにマットなどを用意することをオススメします。
2-2.まずは見せびらかして興味を引く
初めて見せる場合は犬の前にロープを垂らしてゆらゆらさせます。犬が飛びついてきたらさっと引っ込めることを何回か繰り返して十分に興味を引きます。
床の上を左右に滑らせて追いかけさせてもいいです。犬の狩猟本能を目覚めさせ、遊びモードにしましょう。
ロープ=楽しい遊びが始まると学習したらここは飛ばします。
2-3.咥えさせて押したり引いたりを繰り返す
小型犬であれば飼い主は座った状態(もしくは立ち膝)で腕の曲げ伸ばしで犬とタイミングを合わせて綱引きをしてください。
難しい場合は犬がついてこれる速度で左右に動かすとやりやすいです。大型犬の場合は体全体を使って綱引きしてください(腰を傷めないように注意)。
激しく左右に振ったり犬を大きくぶん回すような引っ張り方は危険ですのでやめましょう。
2-4.短く持って動かすのをやめる
ある程度引っ張り合いをしたら、犬がくわえている部分以外を握り込んでその手を体にピッタリつけて飼主は完全に止まります。犬が引っ張っていても気にしないで完全に静止します。
そのまま「出して」とか「ちょうだい」と静かに声をかけながら犬がロープを離すのを動かずに待ちます。犬がおもちゃを離したら、すかさず犬が届かない位置に引いてください。
興奮していると時間がかかりますがあせらず待っていて!犬が落ち着けば必ず離します。
2-5.少し離れたところ投げる&持ってくるように呼びかける
離したらすかさずロープを投げます。最初は近くで構いません。犬がくわえたら「持ってきて」と声掛けしながら犬を呼びます。
持ち去って遠くに行ってしまう犬の場合は、飼い主がロープの端を持ったまま手を伸ばして「投げるふり」をするかたちで良いです。咥えたら呼びながら自分のそばに来るように誘導します。
2-6.数回繰り返したら終了、片付ける
何度かやったら犬が飽きる前に「おしまい」と声掛けして終了します。片付けるときにまだロープを目で追うくらいが丁度いいです。
ロープは絶対に犬に見えず犬が届かない場所に収納してください。そして引っ張りっこをする以外で決して犬に見せたり与えたりしないでください。
3.よくある疑問3つにお答えします
引張りっこで遊ぶときに必ずと言っていいほど聞かれる疑問にお答えしています。
- おもちゃは何でもいいの?
- 遊んでくれないときはどうしたらいい?
- 興奮しやすい攻撃的な犬にならないの?
おもちゃは犬用なら何でもよく、ルールを守っている限り犬の攻撃性が増すことはありません。犬に興味を持ってもらうには、とにかく人間が楽しそうにすることが大事です。
3-1.【犬用ならOK】おもちゃは何でもいいの?
犬用に売られているもので口に入れたり振り回したりしても大丈夫なように設計されたおもちゃならなんでもいいです。愛犬の好みを探りながら、反応のいいおもちゃを与えてください。
- ロープ
- クタクタのぬいぐるみ
- ボール
手を噛まれたくない場合は長さがあるロープなどを選びます。逆に適さないものは以下のものです。
- 古着など人間の使っていたもの
- ぬいぐるみ
靴下やフリースなどは噛み心地がいいため、犬がくわえたがります。しかし古着をおもちゃにすると洗濯物を狙う犬になってしまいます。
ぬいぐるみは目や手といった細かなパーツをちぎって飲み込んでしまうことがあるため避けたほうがいいです。
具体的なおもちゃのおすすめは、こちらの記事で詳しく解説しています。どんなおもちゃにしようか悩んだら参考にしてください。
子犬の噛みおもちゃは2種類を準備【カミカミ対策おすすめ7選】
3-2.【飼い主が楽しむ】遊んでくれない・興味を持ってくれないときはどうする?
愛犬がおもちゃ遊びに興味を持ってくれないときは、まず人間だけで遊びます。
- 夫婦または親子で引っ張りっこ遊びをする(犬は無視)
- 犬が混ぜてくれと寄ってきたら犬と遊ぶ
- まだやりたそうなうちに切り上げる
とにかく楽しそうに犬に見せつけながら遊ぶのがコツです。飼い主自身が思い切り楽しむことで、犬にも遊びの楽しさが伝わります。童心に返って楽しんでください。
反対に犬が遊びを嫌がってしまうNG行為があります。遊び中はやらないように注意してください。
- 遊び中に怒る
- 一人遊びばかりさせる
- 飼い主が義務感満載でつまらなそうにやる・イヤイヤ相手をする
遊びがエキサイトしたときに手を噛まれてしまい、激怒する人がいます。犬はわざと噛んだわけではありません。痛くても怒らないであげてください。
おもちゃで一人遊びばかりさせると、飼い主と遊ぼうという意欲がなくなってしまいます。飼い主への関心が薄いとトレーニングにも悪影響が出るので、なるべく愛犬と一緒に遊ぶ習慣を持ってください。
3-3.【ルール通りにやれば問題ない】興奮しやすい攻撃的な犬にならないの?
飼い主主導で遊んで必ず引っ張る→出させるのサイクルでやることを守っていれば基本的に大丈夫です。
犬を勝たせても良いのか? というものもありますが、そもそも引張りっこ遊びは勝ち負けはありません。ラファはうっかり手を滑らせてロープを放してしまうと「ちゃんと引っ張って」とロープを手に押し付けてきます。
負けといえるのは「犬に相手にされない」と「犬にロープを奪われて逃げられる」こと。
おもちゃは飼い主のもので犬に貸し出しているだけです。犬におもちゃを奪われたら必ず取り返して飼い主の主導権を死守してくださいね。
3.楽しく遊んで愛犬との絆を深めよう
犬との遊びは絆を育てる大事な行為ですし、何より犬を飼う醍醐味・楽しさを最大に味わえます。以下の注意点を守って楽しんでください。
- 必ず人が主導で行う
- 引っ張る→出すの繰り返しで興奮をコントロールする
- おもちゃは飼い主のもの! 遊ぶ時以外は見せるのもNG
- 飼い主が犬以上に真剣にやる
もっとたくさん遊び方や芸・技(トリック)、日々のトレーニングを充実させたい方には、イヌバーシティがおすすめ。基本のしつけトレーニングのほか、さまざまな遊び芸・技(トリック)が紹介されています。
以下の青字をタップすると公式サイトが開きます
2023年コンテンツ大幅リニューアル!犬のしつけ教材なら 「イヌバーシティ」〜いぬ大学〜