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犬の里親になるのはむずかしい?譲渡犬を迎えるということ

犬の里親になるには?
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ペットショップの子犬は可愛いけれど命を買うのに抵抗がある」「かわいそうな犬の里親になって家族として迎えたい」と考えられている方もふえてきました。

私も個人宅で生まれてしまって飼い主をさがしている犬をもらったり、売れ残りで処分寸前の犬を引き取ったりした経験があります。なのでブリーダーやペットショップで子犬を探すよりも、まずは飼い主募集中の犬がいないか近所(地域の犬関係者)に声掛けする大切さを知っています。

また私の周りにもブリーダーからゆずられた繁殖引退犬を飼っている方や、保護団体の譲渡会で出会った犬を飼っている方がいます。飼い主の事情により飼いきれなくなった犬を引き受けて飼い始めた方もいます。

ラファ
ラファ
私の地元が犬飼育率の高い地域なのもあるかもしれないけれど、探せば意外と身近に譲渡犬がいるものなの。特別なことじゃないよ

犬の里親になることはいいことです。しかし譲渡犬にもいろいろなケースがあり、里親になるにもメリット・デメリットが存在します。

そこでこの記事では、犬の里親について詳しく解説します。譲渡犬の里親に立候補したい方は、ぜひ参考にしてください。

1.飼育初心者には譲渡されない?!保護犬の里親になるのは意外とむずかしい

犬の里親になるというと、多くの人が思い浮かべるのは犬の愛護団体が保護した犬を譲ってもらうというものでしょう。しかし保護団体が抱える犬の譲渡は里親の条件が厳しいうえに、子犬や飼いやすい犬に人気が集中するため、なかなか希望する犬を譲渡してもらうことはできません。

保護犬の里親になれない問題
  • 子犬や可愛い犬は希望者が殺到する
  • 犬の飼育経験者が優先される
  • 性格や健康に問題を抱える犬もいて飼育がむずかしい
  • 家庭環境や収入など譲渡条件が厳しい

保護団体から犬を譲ってもらうのは意外と難しいです。まず、子犬やかわいい若い犬、飼いやすい犬は希望者が次々に現れ高倍率となり、すぐに里親が決まってしまいます。

反対に体格が大きく飼える家庭が限られる、性格にやや問題がある、健康上の注意点がある犬はいつまでも飼い主が決まらず残っています。でも里親を希望する多くの人が、このような犬の里親には立候補しない・できない事情があります。

ラファ
ラファ
なかなか里親に選ばれないと悩む前に、保護団体から犬を迎えるということをもう一度よく考えよう

そもそも日本では里親は犬の飼育経験者が選ばれることが多いので、初めて飼う犬を保護犬にするのは難しいです。このほかにも、保護犬の譲渡には厳しい条件があることがほとんど。

団体によっては共働き不可、未就学児童がいる・これから子供を作る予定がある家庭は不可などの条件があり、該当すると里親候補にすらなれません。世帯年収による制限を設けている団体もあります。

条件が厳しいのは、すでに一度不幸になってしまった保護犬にこれ以上の不幸をまねかないため。保護団体も犬と里親家庭の幸福を願っているので、条件が厳しいのは仕方がないといえます。

ラファ
ラファ
これじゃあ里親になれる人なんていないんじゃないの?!といいたくなるような条件の厳しい団体もあるけれど、比較的ゆるい条件の団体もあるので、複数の団体に相談してみよう

2.里親になる理由が「犬を安く飼いたい」なら絶対にやめたほうがいい

バロンを引き受けた時の状況

最近はペットショップで売られている犬の値段も上がっていますよね。法改正や犬の飼育費用の値上がりもあり、子犬の値段は高くなる一方です。

例えば25年前、某CMで人気が出たチワワの値段は、ブームで値上がりしているにも関わらず平均的な価格は10〜20万円程度でした。いまはそれほど人気がないにも関わらず20〜30万円くらいして随分と値上がりしています。

「こんなに子犬が高いのか、なら子犬を里親とかで探そうかな」と思う気持ちはよくわかります。しかしペットショップの子犬が高いから譲渡犬にという考えはいささか安直すぎです。

犬を飼うと、生涯で平均2,517,524円(※)かかります。これは平均なので、病気の予防やトリミングなどに費用をかけるともっとかかりますよ。

一般社団法人ペットフード協会の「令和4年(2022年)全国犬猫飼育実態調査」の「飼育コストの変化」より

ちなみに同統計では、2017年の生涯費用は1,600,827円です。たった5年で100万円近く費用が増加しており、この傾向は今後も続きます。

譲渡犬で最初は安く犬を飼い始められたとしても、生涯にかかる食費や医療費は変わりません。金銭的な負担は結局かかります。

ラファ
ラファ
子犬の購入費用も高くなったとはいえ、支払いは1回だけなので可愛いもの。生涯かかる食費や医療費は値上がりを受けてもっと負担になるよ

「子犬の値段が高すぎる、もっと安ければ飼うのに」と感じるなら、あなたにとって犬の価値はそれほど高くないのかも。犬に価値を見出せないと将来的な犬の費用負担を重荷に感じる可能性も高くなります。

子犬の価格で犬の飼育をためらうような経済状況なら、犬を飼うのを再検討したほうがいいかもしれません。

3.保護犬・譲渡犬の里親になる3つのメリット

犬の里親になるメリットもあります。とくにメリットを感じる3つの項目をご紹介します。

3-1.成犬・しつけ済みの犬を飼育できる

家庭の事情によっては子犬よりも成犬のほうが向いていることがあります。しつけに時間が取れない場合、すでにしつけができている状態で犬を迎えられることは大きなメリットです。

しつけが中途半端な状態であっても、たいていは保護団体や譲渡主がしつけ教室を紹介してくれるので引き続きトレーニングをしていけばいいだけ。ゼロからしつけるよりも簡単です。

子犬の世話は犬を飼いなれているベテランでも大変なもの。成犬から飼うことは面倒な子犬の世話を省けるため、子犬を育てる時間に余裕がない方でも飼育できておすすめです。

3-2.初期費用を抑えられる

子犬をブリーダーやペットショップで購入すると、それなりの値段がします。近年は子犬の生体価格も高くなっているのでなおさら割高に感じるかもしれません。

「どうせ同じお金なら犬の生活をよくするフードやグッズにお金をかけたい」と考えているかたもいるでしょう。里親になれば飼育開始初期の費用は格段に抑えられます。浮いたぶんの費用をほかのこと当てられるのはメリット。

ただし抑えられるのは初期費用だけなので注意してください。年間の飼育費用はどこから迎えた犬でも変わりません。

3-3.社会貢献できる

犬が好きなら「この世から不幸な犬を1匹でも減らしたい」「可愛そうな犬の助けになりたい」と考えることは自然です。

里親になることで飼育放棄されて行き場をなくした犬に温かい家庭で暮らす喜びを与えてあげられます。非常に有意義なことです。

4. 保護犬・譲渡犬の里親になる3つのデメリット

犬の里親に立候補する前に、知っておいた方がいいデメリットがあります。とくに重要な3つのデメリットを解説します。

4-1.成犬や老齢犬が多く子犬はほとんどいない

里親募集の多くは【飼育放棄犬】です。何らかの事情で元の飼い主が飼いきれなくなり新しい飼い主を探している犬や保護団体に救出された犬など、成犬までほかの家庭で飼われていた経歴を持つ犬が多くなります。

飼い始めたばかりの子犬が飼育放棄されることはほぼありません。近年は避妊去勢が一般的になったため、望まぬ繁殖によって生まれる子犬も減っています。

1歳未満の子犬がいいとこだわり続けていると、いつまでたっても犬を飼えない状況になりかねません。子犬ではなく成犬の里親になることも視野に入れて犬を探しましょう。

4-2.人間不信や問題行動、健康上のハンデがあることも

里親を募集している犬の中には多頭飼育崩壊やネグレクト状態で放置されていた犬、飼い主からの虐待を受けた犬など、譲渡犬の一部は信頼関係ができるまで普通の犬より苦労することがあります。

しつけを全くされておらず飼い方に注意が必要だったり、トラウマを抱えて行ける場所や接する人に制限がでることも考慮しなければなりません。

譲渡される犬たちは保護団体や提携の訓練士、獣医師や一時預かりの方たちの努力で、里親家庭に馴染めるように心の傷を癒やしトレーニングを受けています。しかし、心の傷が完璧に消えていない可能性があり、人間不信や問題行動などが残っている場合があることも事実です。

また劣悪な環境にいたために健康状態が思わしくないこともあります。これらのデメリットを理解していないと、飼ってから後悔することになります。

4-3.立候補しても希望どおり里親になれるとは限らない

保護団体で行われている譲渡会に参加したり、ネットで里親申請をしても、必ずその犬が飼えるとは限りません。保護団体や譲渡主との条件の確認や交渉が必要です。

複数の里親候補がいる場合は家庭環境や犬の飼育歴、犬との相性などを見比べて、もっとも良いと判断された家庭が里親に選ばれます。保護団体から提示される条件は結構厳しいので、条件を満たすだけでも大変。そこに競争が加わるために里親になるのも意外と難しいのです。

ラファ
ラファ
譲渡条件があまりにも厳しすぎて里親を諦める人も多数いるの。人気のない犬だとちょっと条件をまけてくれることもあるけど稀なケースよね

5.里親を募集している場所や団体5つ

犬の里親の募集をしているのは保護団体だけではありません。自治体や個人でも募集しています。複数の窓口を検討することで運命の出会いを増やせますよ。

5-1.保護団体

テレビ番組でもよく取り上げられているため最もメジャーです。犬を譲ってもらうといって真っ先に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

保護団体の多くは地域に根ざした活動をしており、犬業界とのつながりも強いです。地元の動物病院やしつけ教室、トリミングサロンなどが保護活動を支援・連携しています。

保護犬の譲渡会や犬の飼い方の啓蒙活動に保護犬カフェの運営など、活動内容が多岐にわたるため、窓口が広いのも特徴です。おおくの犬が現在も里親を待っています。

保護団体は日本中にあり、団体によって譲渡条件や寄付の有無などバラバラです。多くが良心的で志の高い運営を行っていますが、中には怪しい団体もあるので注意しましょう。

5-2.地方自治体

自治体の動物管理センターや保健所などに保護・収容されている犬のうち、譲渡可能な犬について里親を募集している自治体があります。

保護団体よりは譲渡条件がゆるいため、保護団体では里親の条件を満たせなかった方でもチャンスがあります。

ただし譲渡数や制度の整備が自治体によって大きく異なるので注意が必要です。環境省のサイトでお住いの地域の里親募集状況や条件がわかるので、参考にしてください。

環境省_収容動物検索サイト_譲渡会等のおしらせ

5-3.ブリーダー

ブリーダーでも里親募集をしています。主な犬は以下の通りになります。繁殖引退犬は基本的に血統書付きの純血種なので、好きな犬種の里親になりたいという希望を叶えられます。

募集されている犬の例
  • 繁殖引退犬
  • 犬種標準を満たせなかった子犬
  • 先天性疾患や奇形などのハンデがある犬
  • 1度は売れたものの事情があって戻されてしまった犬

ブリーダーは特定の犬種を作出して愛好家に子犬を販売します。その中で毛色など犬種に必須の特徴を満たせない、飼育に問題がない程度の疾患や奇形があるために販売できない子犬が出てきます。そういった子犬の里親を募集していることがあります。

繁殖引退犬は2歳から5歳くらいの親が多く、ブリーダーの多頭飼育の負担を減らすために一般家庭に出されます。避妊去勢手術済み(費用は里親負担になることも)の場合と、譲渡後に里親が避妊去勢手術を行うことを確約する場合があります。

ブリーダーがちゃんと飼育してくれていれば問題のある犬は少ないです。悪質ブリーダーの場合は健康や性格に問題を抱えていることが多いので注意が必要です。

ラファ
ラファ
できるだけブリーダーを直接見て、里親になるか判断しよう

5-4.動物病院

動物病院では、やむを得ず引き取った犬の里親を探していたり、引退した供血犬の里親を募集していたりします。また地元の保護団体と連携していて、里親募集の情報が院内に掲示されていることもよくあります。

必ず募集されているわけではなく、募集があっても不定期だったりするので、事前にホームページや電話で確認を取ることをおすすめします。

5-5.個人

病気や経済事由など家庭事情の変化で飼育困難になった飼い主や家族が、個人的に新しい飼い主を募集しています。おもにジモティーなどの地域掲示板で募集しています。

個人同士のやり取りになるため、犬の所有権移動のための譲渡書類の作成や愛犬手帳の確認、健康状態のチェックはすべて自己責任となります。その代わり譲渡費用は無料になるのがポイントです(金銭のやり取りがあると販売になってしまうためNG)。

書類や事務手続きなどをきちんと理解して自分でできるならおすすめです。トラブルに気をつけて、法令を守って譲渡をおこないましょう。

6.犬の里親になりたい人のためのQ&A

犬の里親に関するよくある疑問をまとめていますので、里親に立候補するときの参考にしてください。

6-1.里親に選ばれやすくなる方法ってあるの?

やったとしても必ず効果があるわけではありませんが、一応里親に選ばれやすくなるといわれているポイントがあります。

寄付やグッズの購入などで運営に貢献するといいという人もいますが、効果は定かではありません。余裕があれば試してみる程度にして、無理にお金を使わないようにしてください。

やると選ばれやすくなるかも?
  • 譲渡会に頻繁にいき熱意をアピール
  • 飼育経験がある場合はアピール
  • 寄付やグッズの購入などをおこなう
  • ボランティアとして参加する
  • 譲渡主に気に入られる

保護団体の人は本当に犬を大切にしてくれる人、犬が幸せになれる家庭に送り出したいので、家庭環境の良さや飼育に対する熱意をアピールするのは有効です。(ただし盛らないようにしてください。家庭訪問があるのでバレます)

保護団体の譲渡会やバザーなどのイベントに頻繁に行って顔を覚えてもらうのもいい方法です。その際に好印象を持たれるようにすると里親に選ばれやすくなるといわれています。

6-2.複数の保護団体に希望を出してもいいの?

べつに構いません。希望を出したからといって里親になれるとは限らないため、気になる子がいたら積極的に里親希望の申し出をします。

ほかの団体に里親希望をしていることを申告する必要もないので、遠慮せずに希望をだしてOK。ただし大量に希望を出してわけがわからなくなるようなことは避けてください。

ラファ
ラファ
一度に希望するのは2~3団体程度に留めておくほうがいいよ

6-3.犬を譲渡してもらうときの注意点は?

犬を譲渡してもらうためには、所有権の移動のための書類や登録関連の手続きをしっかりと確認することが大切です。保護団体から譲渡される場合は団体ごとにルールやタイミングが異なるので、譲渡する団体の方針に従って手続きしてください。

確認すること
  1. 愛犬手帳・狂犬病予防接種記録証
  2. 健康状態と病歴
  3. フィラリア予防・混合ワクチンの接種の有無
  4. 譲渡費用の負担
  5. 譲渡に関する各条件の合意
  6. 譲渡に関する書類の内容とサイン

犬は法律上は飼い主の所有物であり財産となるので、譲渡・受領を合意の上で行ったことが証明できる書類を用意し、両者でサインをします。必ず法的に通用する書類形式にすること。トラブル防止のために必須の書類です。

避妊・去勢をどうするかも必ず確認してください。保護団体の場合は避妊去勢が必須で、費用が里親の負担となります。未処置の場合は譲渡後一定期間までに処置をして証明書を提出することが多いです。

6-4.譲渡犬はなつかないって本当?

譲渡された犬が新しい環境にどれくらい馴染むか、新しい飼い主になつくまでの時間がどれくらいかかるかは、完全に犬と里親の個性と相性次第です。すぐになつく場合もあれば、なかなか信頼関係が構築できないこともあります。

とくに虐待を受けていた犬はなつくのに時間が必要なケースが多いです。なついたとしても、もとから愛情いっぱいに育てられた犬よりコミュニケーションが控えめで、特定の人を嫌がることもあります。

例えば元の飼い主が男性で犬を虐待していた場合。新しい家庭で女性(妻と娘)には早く心を開いたものの、男性(夫と成人した息子)にはなかなかなつかず、生涯甘えることはなかったという事例もあります。

ほとんどの犬は愛情をかけて世話をしていれば何らかの形で変化が出てきて、最終的にはパートナーになれます。来歴や個性を把握して、すぐになついてくれなくても不満を持たないようにしましょう。根気強く接することが大事です。

6-5.どうしても子犬がいい!成犬NGで里親になれる?

子犬を希望することは可能です。里親は犬ごとに募集されているので、子犬が里親募集されていたら希望を出せばいいだけ。

とはいえ1歳未満の子犬の里親は希望者が多く競争が激しいです。できれば2〜3歳くらいまでの若い犬にまで範囲を広げたほうが、里親に選ばれる可能性は高くなります。

どうしても子犬にこだわりたい人は、譲渡犬を探すだけではなかなか出会いがないかもしれません。ブリーダーなどから子犬を迎えることも検討しましょう。

7.保護犬・譲渡犬を探すなら里親マッチングサイトに登録してみよう

犬の里親に立候補することは社会的意義も高く、保護団体から犬を迎える方法も広まってきています。

しかしいきなり譲渡会に参加するのはハードルが高いですよね。そのような方のために里親募集されている犬と希望者をマッチングするサイトがあります。

迎え入れの条件を入力するだけで、条件に合う犬がいれば保護団体から連絡が来ます。サイトに登録したからといって必ず里親にならなければいけないことはないのでお気軽にどうぞ。

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